Research

当研究室では、コンピュータグラフィックス(CG)とコンピュータビジョン(CV)を基盤として、実世界の光・形状・計測データを理解し、再現し、生成するための研究に取り組んでいます。個々の研究では、物理、幾何、機械学習、センシングを組み合わせながら、新しい表現方法と計算手法を探ります。

Rendering and Simulation

光の伝搬や物体の運動など、現実世界で起きる物理現象をコンピュータ上で再現するための技術を研究しています。

コンピュータグラフィックスでは、光が物体表面でどのように反射・散乱するかを計算することで、現実に近い画像を生成できます。一方で、現実の物理現象を忠実に再現しようとすると非常に大きな計算量が必要になるため、精度と計算効率を両立するアルゴリズムが重要になります。

当研究室では、光輸送、材質表現、偏光などを含む物理ベースレンダリングに加え、新しい撮像デバイスを対象としたシミュレーションにも関心を持っています。

たとえばイベントカメラのように通常のカメラとは異なる原理で情報を取得するデバイスについて、物理シミュレーションと画像生成を組み合わせることで、その性質をより正確に再現する方法などを研究しています。

3D Geometry and Modeling

三次元形状をコンピュータで理解・表現・生成するための技術を研究しています。

点群、ポリゴンメッシュ、CADモデルなど、三次元形状にはさまざまな表現方法があります。それぞれの表現が持つ幾何学的な性質や構造を活用し、形状を効率よく処理・変換・生成するための手法を考えています。

近年は、従来の幾何処理に加えて、ニューラルネットワークや生成モデル、大規模言語モデルなどを組み合わせることで、三次元形状をより柔軟に理解・生成する方法にも関心を持っています。

たとえば、点群などから物体の構造を理解してCADのような編集可能な表現へ変換することや、大規模な三次元データを効率よく扱うための表現・処理方法などが研究対象になります。

Visual AI

画像・動画・三次元データを理解し、処理するための機械学習・AI技術を研究しています。

深層学習の発展によって、画像認識や生成だけでなく、三次元形状の理解、異常検知、画像編集など、CG/CVのさまざまな問題をデータから学習することが可能になっています。

当研究室では、特定のAIモデルそのものを研究対象とするだけではなく、画像や三次元形状が持つ構造、物理的な性質、幾何学的な情報などをうまく利用することで、視覚情報処理に適した学習方法を考えることを重視しています。

これまで画像生成・編集などに取り組んできたほか、現在は異常検知や三次元情報処理など、より幅広いCG/CVの問題へのAIの活用を進めています。

近年は、大規模な画像・言語モデルや生成モデルなどの基盤モデルをCG/CVの問題に活用する方法や、少ない学習データから異常や構造を理解するための手法にも関心を持っています。

Computational Imaging and Sensing

実世界を計測して得られるデータと計算処理を組み合わせ、直接観測することが難しい形状・材質・内部構造などを推定する技術を研究しています。

カメラや三次元スキャナ、X線CTなどの計測装置から得られるデータには、ノイズや物理的な制約が含まれています。そこで、計測過程をモデル化したシミュレーションや画像再構成、逆問題の解法などを利用し、観測データから必要な情報を復元します。

近年は、従来の数理的な画像再構成手法と機械学習を組み合わせることで、より高精度・高効率な計測や復元を実現する研究にも取り組んでいます。

対象は可視光カメラだけに限らず、三次元計測、X線CT、スペクトルイメージングなど、さまざまなセンシング技術に広がっています。

From Fundamental Research to Real-World Applications

当研究室では、新しいアルゴリズムや表現方法を考える基礎的な研究とともに、それらを実世界の問題へ応用することも重視しています。

これまでにも、製造業、非破壊検査、三次元計測などの分野で、企業や他大学の研究者と共同研究を行ってきました。

実際の問題に取り組むことで、既存のCG/CV技術では十分に扱えない新しい課題が見つかることもあります。そこで得られた問題を一般化し、新しい計算手法やアルゴリズムへ発展させることも、当研究室の研究の一つのスタイルです。

研究テーマはこれらの分野に限定されるものではありません。学生の興味や新しい技術の発展に応じて、複数の研究領域を横断しながら新しいテーマを考えていきます。

具体的な発表済み研究は Projects からご覧いただけます。